今回紹介するモノはConverse ALL STAR HI made in JAPAN(コンバース オールスター ハイ メイドインジャパン)。
メイドインジャパンというぐらいですから日本製なんだけど、そもそもコンバースの始まりを辿るなら「メイドインアメリカ」であればと思うのになぜ「メイドインジャパン」でのわざわざ推しになっているんだろうとは思いませんか?
通常のオールスターと比べて値段が高いと思いがちな「メイドインジャパン」に対して「通常のオールスターとは違う」「日本製だし、この値段でもしょうがないか」ぐらいでこの価格差の意味を特に深く考えず履いている方々も多くいるかもしれません。
最初に言ってしまいますが「MADE IN JAPAN」のクオリティはさすが日本と言うべきもので、買って満足感を感じることができる一足なのは間違いありません。
価格で比べることも多いであろう高級ラインの「コンバース アディクト」のクオリティともまた違う「メイドインジャパンクオリティ」の高さ。
実はこの「メイドインジャパンクオリティ」、その昔に履いていたコンバースを感じさせてくれるという「独特のエモさあるクオリティ」を再現したことが価格に表れているということがわかりました。
さらにいろいろ調べていくうちに通常モデルとの違いなども新たに知ることもできたことに、なかなかいい勉強ができたなと思ってみたり。
本日はその辺りのお話しをしたいと思います。
なぜいま Converse ALL STAR made in JAPAN なのか
タイムレスなプロダクトが好きです。
そうなるとHaloにとっても生まれた時からずっと存在し続けているConverse ALL STAR(以下オールスター) はどうしたって弊ブログでは避けて通れないプロダクトの筆頭。
という以前に、オールスター自体、世界の誰もが一度ぐらいは見たことがある、足を通したことがあると言ってもいいぐらいの存在であり「オールスター=ザ・スニーカー」としてのアイコン的プロダクトであることは誰しも認めるところだと思います。
そのオールスターの中で「Converse ALL STAR made in JAPAN」もこれまでハイカット、ローカットともに何足も履いてきましたが、不思議なことに履き潰してもまた買ってしまうという不思議な魅力を持っています。
そんな魅力の元は何なのか?
名前の通り「MADE IN JAPAN」なのは分かるけど、それ以外実は深く知らないことだらけ。
ここからは「Converse ALL STAR made in JAPANとは何なのか」を「令和のいまあらためて知る」をテーマに書いていく所存であります。
Converse ALL STAR made in JAPAN の特長など
まずは公式から
Converse 公式ショップより抜粋オールスターのMADE IN JAPANモデル。
キャンバスオールスターとは異なる生成りテープ、コットンシューレースを使用。ヒールラベルの下部分に「MADE IN JAPAN」を印字。ホワイトのキャンバスに赤字で印されたインソールのコンバースロゴは、日本の国旗をイメージ。 オリジナルカートンボックス仕様。¥14,300 ( 税込
意外とあっさりなので公式以外の(「MADE IN JAPANモデル」の情報は本やWebなどにもいろいろあるので)情報も調べてみることにします。
それぞれ曖昧だったり、大枠で共通している部分もあったりするので個人的な観点か内容をまとめてみたものが以下になります。
(もしかすると間違っている部分があるかもしれませんが、個人調べによるもののため、すいませんがご了承ください。)
1990年代後半まで、日本に流通するオールスターはほとんどがアメリカ製でした。
その中でごくわずかではあるものの生産の一部を任されていたのが日本の月星化成(現ムーンスター社)という会社。
そのムーンスター社で今も生産されているオールスターこそが「MADE IN JAPANモデル」だったのです。
というところで次項ではもう少しムーンスター社のことを掘り下げたいと思います。
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ムーンスター社とMADE IN JAPAN モデルの歴史と通常モデルの違いを知る
月星化成(現ムーンスター社)は日本のゴム産業が栄えた町、久留米で140年以上前に地下足袋製造から始まり、ゴム底の運動靴などをオリジナルに製造しながら今に至る歴史ある靴製造メーカー。
メーカーとしてはゴム圧着技術のバルカナイズド製法の品質の高さ、縫製のきめ細やかさなどで日本随一の地位を確立。
その実力を認められコンバース社からオールスター生産の一部を任されることになります。
そうした中、2000年代初頭に米コンバースが倒産します。
長くなるので割愛しますが、さまざまあって日本とアメリカでの商標権が日本は伊藤忠商事、アメリカではNIKEにと分かれてしまいます。
そして日本で伊藤忠商事とムーンスター社が共同出資によるコンバースフットウェア株式会社を設立。同社が日本での商標権を持ち、コンバースブランドの製品の企画、生産と販売を行なうことになりました。
今、コンバースフットウェア株式会社の販売するオールスターは伊藤忠の企画でアジア生産品が大多数を占めています。
その中で昔からオールスターを生産していたムーンスター社だけが今も日本生産に拘って作り続けている「オールスター」「ワンスター」など一部の製品が「MADE IN JAPANモデル」として国内で販売されているということなのです。
では通常のオールスターと「MADE IN JAPAN」の一番の違いはどこにあるのでしょう。
ムーンスター社のオールスターはアメリカ製だった頃の1980年代の木型を使って現在も作られており、そのことでシルエットがややシャープになっているという点が挙げられます。
また、通常のオールスターよりシャープなシルエットを作り出す、日本の技術、製法の確かさがもたらす「ソールの反りの穏やかさ」も古き良きオールスターを知っている人には嬉しいポイント。
日本製オールスターは、品質の高いオールスターでありながらもアメリカの古き良き時代のテイストを纏っているオールスターとしてファンの間で評判となり2013年に「MADE IN JAPANモデル」として定番化、以来シーズンごとにさまざまなバリエーションを継続展開しています。
という感じで「オールスターMADE IN JAPANモデル」は堂々たる歴史を持つ製品だったのです。
すごいぞジャパンクオリティ! ありがとうムーンスター社!
コンバース 日本製 どこで売っている どこで買える
基本的にはコンバースを購入できるお店で購入可能。
リアル店舗で試し履きしてから購入というのがやはりおすすめです。
比較的コンバースの品数を多く扱っているような大きなお店、量販店であれば間違いなく売っています。
日本中にある代表的なところをあげるなら、ABCマートとかでしょうか。
また日本製はクオリティが高いこともあって、ビームス、アローズなどセレクトショップなどでも見かける印象があります。
ネット購入の場合、公式サイトはもちろんですが、ECサイトだとAmazon、楽天、Yahoo!ショ、ZOZOタウンなど。
公式サイトで販売されているものであれば、同時にリアル店舗でも並行して販売されているモノなので、店舗に在庫があるかどうか問い合わせした上で購入するのがいいと思います。
実物を見てみましょう
2013FWに「MADE IN JAPAN」として定番化された頃のカートンボックス。あちこちに「MADE IN JAPAN」の文字が刻まれています。(※現在は公式に表記されている赤いフタのカートンボックスが仕様になっています。)
付属のタグなども
ではそろそろ実物を。
ジャパンクオリティあふるるオールスターをしばしいろんな角度からお楽しみください。
右足の外側横から
右足の内側横から
シューレースはコットン製
インソールには日本をイメージした赤色のロゴプリントがあります。
このロゴマークは70〜80年代のインソールに使われていた形を継承しているものです。
当時は「MADE IN USA」を表す青色でプリントされていました。
ここが日本を表す赤色でプリントされているのはやはり「MADE IN JAPAN」ということを強く打出しているからでしょう。なおインソール自体は靴底に接着されているため取り外すことはできません。
中面サイドにもMADE IN JAPANの記述が
ヒールパッチはレギュラー商品にも見られるお馴染みの「白地にALL★STAR」のあっさりデザイン。しかし外から確認できるノーマルオールスターとの差異としてもっともわかりやすいアピールポイントのためか「MADE IN JAPAN」のプリントがさりげなくも下部にバッチリ印字されています。
左の画像は未使用品のためバッチリ印字されていますが、履くほどに削られていきます。比較用に画像右側はローカットで何年も履いたモノ。徐々にMADE INどこなのか分からなくなってきています。
ソールの反りが少ない =「硬い」ということなのか、「MADE IN JAPANモデル」は摩耗が少なく長い間履けるということをよく聞きます。さらに疲れにくいとか、足が痛くならないということも聞きます。
何年も履いてきたHaloが正直なところをお伝えすると、当然、これだけ長い販売期間の売られているモノなのでソールだって折々の中で削られにくく改良されているんだとは思います。
そうはいってもやっぱりコンバースオールスターなので靴底は普通に減ります。そして疲れるし、足裏も痛くなります。
摩耗しないといっているのはあくまでレギュラーで販売されている通常のオールスターと比べてということであって、長い目で見てもシューグーでのリペア回数が1、2回減るぐらいの差じゃないかと。
スニーカーって個人によって履く頻度に違いがあるので一概にそう言えないところもありますが、耐久性が欲しいからということだけで「MADE IN JAPANモデル」は選ばない方がいいと思います。
だって現在は2023年です。
耐久性のあるスニーカー、疲れないスニーカーの選択肢で言えば「MADE IN JAPANモデル」にこだわる必要はなく、コンバースであれ他のメーカーであれ、それこそたくさんあると思うので。
一方で素材感や縫製の正確さ、技術の確かさなどジャパンクオリティに関しては間違いないところがあります。
そこをニーズとして求める方にはバッチリハマる製品だと思います。
じゃあ「MADE IN JAPANモデル」を購入するとして何か問題はないのでしょうか?
ないわけではないです。
Haloが考えるそれはアジア製の通常のオールスターが2足買えてしまう程の販売価格、14,300円。
価格にクオリティに対しての価値を見出せるならもちろんありですが、アジア製の通常のオールスターを2足買って日毎に履き替えて楽しむ方が長持ちするし幸せだという方もきっといるはず。
なので買う際は自分がこのジャパンクオリティにいくら出せるのかを考えてからのご購入を強くおすすめします。
Converse ALL STAR made in JAPAN レビューまとめ
いろいろ書きましたが、最初にも言ったように結論としても『買い』のオールスターであることは間違いありません。
ただ、万人におすすめはできるモノではなく『買い』には少しエモい部分への共感が必要です。
「MADE IN JAPANモデル」は80年代のALLSTAR made in USAを当時のレシピそのままに現代に復刻したものであり、スパイスとしての日本ならではの技術力で細かい部分まで丁寧に作られたモノ。
そしてそれは言い換えれば『みんなが大好きだったmade in USAのオールスターを今買うことができる』ということ。
そんなことからも「MADE IN JAPANモデル」を買って満足できる人っていうのは
- アジア製にないジャパンクオリティのオールスターが気に入った人
- 80年代のmade in USAのオールスターが好きな人でその雰囲気を手軽に楽しみたい人
- 他の人とかぶらない希少性あるオールスターが好きな人
- とりあえずなんでも履いてみるオールスターマニア
といったところの人たちだと思います。
そういう意味でもHaloにとっては満足度が高いオールスターであり、履き潰してもまた買ってしまうということの理由はこういうことなんだと自分でレビューを書いてみて気付いた次第。
本レビューがみなさんの「Converse ALL STAR HI made in JAPAN」購入の際に参考になれば幸いです。
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